勇者
更新日2003年11月24日
勇者を、職業やジョブと呼んで良いのかどうかは判りません。
どちらかと言えば、行いや武勲に対して贈られる称号であって、
勇者という名前の職業があるわけではない、というのがゲーム上の扱いでしょう。
時折、そうでないゲームも見受けられますが・・・
そういったゲームでは、勇者というのは単なる職業のひとつであったり、
もしくは、勇者とは勝手にタンスを開けたりすることが許されている特別な存在だ、
ということをギャグにして「おいおい・・・」という感想を主人公に言わせるタネになっているようです。
筆者の周囲では、ゲーム中に町の人から情報収集したり、そこらを調べ回ったりすることを
「勇者する」などと言って冗談のネタにしています。似たようなギャグは、どこにでもあると思いますが・・・

とりあえず、勇者には二種類があります。
RPGにおける勇者は、武器もいろいろ使えて、魔法もある程度使えて・・・
バランスの良い、良く言えば万能型、悪く言えば中途半端な位置付けにあるのですが、
大抵、「バランス良く強い」という、いわゆる反則タイプのキャラとなっています。
戦士並み(もしくはそれ以上)の戦闘力。
専門の僧侶や魔法使いには劣るものの、回復、補助、攻撃とバランス良く覚える魔法。
そして、専用の強力な魔法や装備品。あらゆる意味で、選ばれし存在です。

もうひとつが、某有名SLGなどを筆頭に、登場する勇者。
傭兵、もしくは剣を使う戦士がレベルアップし、クラスチェンジすると勇者になります。
こちらは、完全に武器戦闘特化型。
敵の攻撃をひらひらとかわし、非常に高い攻撃力での連続攻撃を繰り出す、戦場の死神。
例外はありますが、民間出身の人物が戦場で活躍し、勇者とまで呼ばれるようになった。
これほど民衆を熱狂させる人物も、なかなかいないでしょうね。

現実的には、勇者とはどういう人物でしょうか?
困難に立ち向かう勇気がある者を勇者とするならば、誰もが、自身が勇者であろうとすることができます。
しかし、筆者自身は、勇者とは、アイドルと同じく偶像であると考えています。
人々が誰かの行動を見て、勝手に「勇者」と呼ぶ。
そこまで言わずとも、誰かの偉業を称えて「勇者」と人々が認める。
そう、勇者や英雄とは、自分でなろうと思ってなれるものではなく、民衆によって作られるものなのです。
最も得難く、得たところで自身にとっては何の意味も持たない、誇らしくも虚しい称号。
それが、勇者とか英雄とかいうものなのです。

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